一年前の九月、空港のラウンジで暇つぶしに何行かの文章を打ち込んだのが、小説の創作を始めるきっかけになりました。
私には社会に出てからこれまで続いている趣味と言えるものが、海外旅行しかありません。
(たくさんあればいいというものでもないとも思いますが……。)
毎月行くようなフリークでもなく、年に1~2回出かける程度なので、費やす時間で言えば、事前の計画に一ヶ月、帰宅後の写真整理や旅行記のまとめに一ヶ月くらいしかかかりません。
後の時間は何も無ーし!
だらだらと漫画を読んでいるくらい……。
出かける先も、ここ数年はすっかり気に入ったイタリアばかりというありさまで、おかげでだいたいの交通事情や食べ物などは調べずに済んでしまっています。
今年はコロナで行けませんでしたけど……。
もちろん行っている間はとても楽しんでいますが、いわゆるスポーツや芸術に打ち込むような激しさはありません。
大人になってからもあんなに時間と体力をつぎ込んで熱中できる趣味があるってすごいな、と他人事みたいに思っていましたよ……。
まだ一年生から二年生になったばかりですが、この一年を振り返ると、小説創作も恐ろしく時間と精神を消費する趣味だったんだなとしみじみ思います。
他人から見ると、じっと机に座ってキーボードを叩いているだけにしか見えないのが怖いところです。
(私も一年前までは、楽そうな作業だと思っていましたから)
文頭の一字下げすら知らない状況でスタートして、書き方を少しずつネットや書籍で学んでいくうちに、実際の文章を打ち込むまでに考えなければいけないことが多すぎると分かって愕然としました。
こんなに大変な作業を経て小説というものは執筆されているのか……。
途中で「話が違う……(カフェで優雅にお茶しながらさらさらっと執筆などというイメージが崩壊した)」と思いました。
でも、何とか一年続きましたよ。
実は今日、書き始めた頃に「絶対こんなところまで書けないよねー」と思っていた場面まで辿り着きました。
具体的に言うと第二部の折り返し地点、書籍にすると三巻収録予定のところまで書いたことになります。
すごいぞ私!
自分にとってこんなにマゾな行為、しかも一銭にもならない作業を一年も続けられたというのはすごいことなのです。
しんどいけれど楽しかった。今も楽しいと思えています。
これって熱中できる趣味で、今後も続けられそうと言っていいかな、と最近自信がついてきました。
今は、電子書籍一巻目の内容についてお願いした校正の戻りを待っているところです。
思えば遠くへ来たものです……。