山本文緒さんを悼む

訃報に驚いて、しばらく何も手につきませんでした。

大して読書してない私に言われても嬉しくないでしょうが…「作家買い」していた方です。

 

引っ越しするごとに本はだいたい捨ててしまうんですけど、この方の本はずっと手もとにあるんです。

(他は手塚治虫とかくらいです)

 

「プラナリア」で衝撃を受けて、「恋愛中毒」ですっかりはまってしまって……。

 

この方による等身大の女性の心の痛みや悪意の描写は比類がなくて、まさに中毒性があります。

短編もすごいんです。

いちいち心を抉ってきたり、温かくしてくれたりします。

 

著書を買い続けていたんですが、うつを患われて。

数年前までホームページ(まるでホームページビルダーで作ったような、懐かしい構成のサイトでした)をチェックしていたんですけど、全く更新がなくなって、追うのを止めてしまっていました。

 

似たような作風の作家さんの本を知り合いに聞いて回ったりしたこともありましたが、見つかりませんでしたねー。

(湊かなえさんとか、辻村深月さんとかの本を紹介してもらったけど、なんか違うんですよね)

 

才能はもちろんあったのでしょうけど、ものすごい努力をされた方でもあります。

(エッセイで知る範囲でしか存じませんが……)

趣味でやっていてものたうっている自分とは天と地の差ですわ。

 

でも、うつを克服されてからSNSで色々発信されていたんですね。

訃報で知るのも失礼な気がしますけど、あれから著書も数冊出されていた!

 

悲しい中にも、また新しい文緒ワールドに会えるのが嬉しいです。